【1545】
完全変態の虫たちは、多くの場合、成虫と幼虫で食べ物や移動手段、
生息場所などが異なり、当然その姿かたち(見た目)も異なります。
⇒なので、野外でそれぞれを別々に見つけたときには、
独自に名前を覚えておかないといけません。
覚えるべき種類が、さりげなく2倍になるのです。
今回は、幼虫と成虫の姿が対照的(ツルツルとトゲトゲ)なトホシテントウです。
まずは、幼虫から・・・・・
トホシテントウ幼虫(テントウムシ科)
2017年9月22日 座頭石・青森
とりあえず、このトゲは外敵に対する物理的な防御手段になると思いますが、
テントウムシの場合は、不味成分を体内に持っているので、
野鳥類がテントウムシを(トゲがなくても!!)捕食しないようです。
トホシテントウ幼虫(テントウムシ科)
2020年1月19日 渡良瀬遊水地・栃木
しかし、これだけ見事なトゲだと、近づくのも躊躇するほどの外観です。
背面全体に、本体が見えなくなるほど枝分かれした黒い棘で覆われており、
少なくとも見た目は怖ろしく、触ってみるには勇気がいります。
⇒しかし実際には、このトゲには有毒成分はなさそう【注】なので、
見かけほど危険な虫ではありません。
【注】トホシテントウは肉食ではなく、幼虫と成虫共に、
ウリ科のアマチャズルやカラスウリなどの葉を食べるのですが、
それらは、微妙な有毒植物でもなさそうです。
こんなやりすぎ幼虫の親は、一体どんな姿なのでしょうか?
トホシテントウ(テントウムシ科)
2017年6月26日 座頭石・青森
何だ!・・・・・・普通のテントウムシじゃないか!!!
⇒でも、このような赤と黒模様は、
緑色の葉っぱにいると、非常に良く目立ちます。
トホシテントウ交尾中(テントウムシ科)
2020年6月20日 座頭石・青森
このような派手な模様は、体内の不味成分に裏付けされた、典型的な警戒色だと思います。
詳細は、以下の過去記事をhご覧ください。
詳細は、以下の過去記事をhご覧ください。
【虫たちの生き残り戦略⑥ 警戒色(目立つ色で危険を知らせる)】
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