ちょっとだけ不思議な昆虫の世界(3)

今回で2度目の引っ越しです。 さりげなく(Sally Genak)虫たちの不思議な世界を紹介しています。

2016年06月

私の写真撮影のお気に入りの場所のひとつに、
青森県平川市にある白岩森林公園がある。

周辺の林道には、多くの植物種が自生(多分?)し、
それを目当てに、様々な虫たちが集まってくる。
もちろん、そんな虫たちを食べる捕食者も・・・

さらに、カモシカやニホンザル、ホンドテンなどの、
普段はなかなか見られない哺乳類にも、たまに遭遇する。


シーズン中は、月に数回は虫を撮りに訪れるが、
この日は、典型的な初夏の「カメメシ・デー」だった。

 ⇒通常の「カメムシ・デー」は、晩夏から初秋なのだが・・・【注】


今回は、少し歩いただけで、次々に見つかるカメムシ類に、
ちょっとだけ嬉しかったりしたのだ。





以下、見かけた順に・・・


ハサミツノカメムシ(ツノカメムシ科)
イメージ 1
2016年6月18日 白岩森林公園・青森

やっぱり、大型のツノカメはカッコイイ!!

立派なハサミを持つ雄だったら、
何も言うことはなかったのだが・・・






クサギカメムシ(カメムシ科)
イメージ 8
2016年6月18日 白岩森林公園・青森

この子は、どこにでもいる普通種だ。

特に、晩秋のダムサイトでは、
「もう、いいよ!!」
というくらい見つかるのだが、
夏場には、あまり出会うことがない。






スコットカメムシ(カメムシ科)

イメージ 2
2016年6月18日 白岩森林公園・青森

この子も、晩秋のダムサイトの常連だが、
初夏の葉っぱの上で出会うのは、
クサギカメムシと同様に、むしろ珍しい。






エゾアオカメムシ(カメムシ科)
イメージ 3
2016年6月18日 白岩森林公園・青森

北国の緑色のカメムシの代表である。

南国のミナミアオカメムシや、ツヤアオカメムシに相当する?

 ⇒そういえば、同じようなアオクサカメムシには、
  四国にいた頃にも、あまり出会った記憶がない。






ヒメツノカメムシ(ツノカメムシ科)
イメージ 4
2016年6月18日 白岩森林公園・青森

この時期に、ヤマグワの裏側を探せば、
必ずと言って良いほど、幼虫集団が見つかるのだが、
この日は、フキの葉っぱに、この1匹だけ・・・






ヘラクヌギカメムシ(クヌギカメムシ科)
イメージ 5
2016年6月18日 白岩森林公園・青森

見かけた個体数が、この日の最多で、
多分10数匹程度だったと思う。

まさに、「どこにでもいる!」という感じだった。

 ⇒他に近似種が2種いるのだが、
  弘前周辺で、普通に見つかるのは、
  おそらく全てがヘラクヌギだろう。






ツノアオカメムシ幼虫(カメムシ科)
イメージ 6
2016年6月18日 白岩森林公園・青森

やや反則気味の唯一の幼虫だが、
実は、今回が2度目の出会いで、
ちょっとだけ嬉しかったりする。

成虫は、よく見かけるのだが・・・







ヨツモンカメムシ(クヌギカメムシ科)
イメージ 7
2016年6月18日 白岩森林公園・青森

西日本では、かなりの珍品で、ほとんど見かけなかった。
ところが、青森では驚きの普通種なのだ。

やはり、晩秋のダムサイトの常連だ。





この他にも、アングルが良くなかったりして、
シャッターを押さなかったのだが、
セアカツノカメムシ、アカスジカメムシ、
ツマジロカメムシ、オオトゲシラホシカメムシ幼虫、
トゲカメムシ幼虫
なども見かけた。

やっぱり、普通種(マニアは凡種という!!)でも、
少なくとも1枚は、写真を撮るべきなのだろう。




・・・と言うわけでで、
この日は、まさに「カメムシ・デー」だったのだ。、




【注】以前紹介した「蔦温泉のカメムシ」ほどの迫力は、
   全くなかったのだが、やっぱり連続でカメムシばかりを見つけると、
   さりげなく誰かに大声で叫びたくなる?

   【蔦温泉の遊歩道 カメムシしかいない!!!】
    ↓   ↓   ↓
    http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111010/1/

   このときは、蔦温泉駐車場から蔦沼までの遊歩道で、
   わずか30分ほどの間に、比較的珍しいカメムシ7種類に出会った。





いつものように、だんぶり池近くの林道を歩いていると、
ちょっとだけ「???」なものを見つけた。



とりあえずは、この写真から・・・・


これは一体何だ??
イメージ 1
2016年6月12日 だんぶり池・青森

大きな目の葉っぱを、まるで「オニギリ」のように、
上手に折り曲げた正体不明の生物(?)がいる。

 ⇒やや人為的な匂いもするので、
  どちらかというと、不気味な存在だ。







虫の住み家か?
イメージ 2
2016年6月12日 だんぶり池・青森

原材料は、フキの葉っぱのようで、
少なくとも、柔らかく3段階に分けて、
ふんわりと折り重ねているのだ。

ちょっとだけ不思議なことに、写真で見る限り、
付近に正常なフキの葉っぱが見当たらない。

それにしても、見事な「オニギリ」だ。

 





まさに「おむすび」状態??
イメージ 3
2016年6月12日 だんぶり池・青森

近づいてよく見ると、細い糸で綴られているようだ。

食べても柔らかそうで、絶妙な握り具合(?)だと思う。

 ⇒これが、いわゆる「虫の職人技」なのだろう。







ちょっと可哀想だが、「オニギリ」の中身が何なのか調べてみよう。


多分ノメイガの仲間(ツトガ科、ノメイガ亜科)
イメージ 4
2016年6月12日 だんぶり池・青森

予想どおり、中身は梅干しやシャケではなく、
真っ黒な糞と、製造者の蛾の幼虫だった。

 ⇒帰宅後のネット検索で、ノメイガ類の幼虫が、
  もっとも可能性が高そうだ。







多分ノメイガの仲間(メイガ科、ノメイガ亜科)
イメージ 5
2016年6月12日 だんぶり池・青森

こんな感じで、丸々と太った幼虫である。

急に部屋を開けられて、ビックリしているのか、
全く気にしないのか、しばらく動こうとしない。

 ⇒君が、単独で「オニギリ」を作ったのか?


 




・・・それから、3日後。



イメージ 6
2016年6月15日 だんぶり池・青森

前回、葉っぱを開いた後、そのまま放置していたのだが、
同じ場所で、こんな風になっている葉っぱを発見。

 ⇒おそらく、同じ葉っぱで、応急修理を試みたのだろう。
  前述のように、付近にはフキの葉っぱが他にないから・・・?







イメージ 7
2016年6月15日 だんぶり池・青森

葉っぱには、大きな破れ穴があり、
幼虫が、蛹化のために脱出したのかもしれない。

 ⇒もしかしたら、破れかぶれの幼虫の仕業かも?


可哀想なのだが、再び開いてみたが、
当然のように、幼虫の姿はなかった。







・・・さらに、それから4日後、
近くの別の場所で、似たような住み家を発見。


多少の違和感?
イメージ 8
2016年6月19日 だんぶり池・青森

今度は、明らかに別個体だ。

折りたたみの方法がちょっと違うようだ。

 ⇒オニギリというより、柏餅か?







さらに違和感??
イメージ 9
2016年6月19日 だんぶり池・青森

付近で、もう1個発見!!

もし仮に万が一、同じ種類の幼虫が製造者なら、
この子は、かなりの手抜き作業を行ったのか?

もしかしたら、これが今流行の「おにぎらず」なのか?

 ⇒もし「おにぎらず」が初耳という貴方!
  完全に乗り遅れていますよ!!

  





多分ノメイガの仲間
イメージ 10
2016年6月19日 だんぶり池・青森

内部には、最初と同じような幼虫がいた。

姿かたちと食草から、明らかに同種のようだ。

 ⇒ということは、最初の写真のような「オニギリ」型は、
  標準仕様(いわゆるデフォルト!)ではなく、
  本当にに「職人技」だったのかもしれない。







これで終わるのは、折角のブログ記事なので、
もう少し、幼虫の名前を調べてみよう。



この幼虫の写真だけで、同定ができるか?

 ⇒食草、発生時期、姿かたちなどが、
  無謀な(!)同定の根拠となるのだが・・・。




ネット検索すると、
このように葉っぱを折り曲げて巣を作るのは、
ノメイガ類がメインであることが確認できる。

候補は、以下の5種類の幼虫だ。



ベニフキノメイガ:
名前の由来となったように、
食草に、フキの葉っぱが含まれる。
幼虫の見た目が2タイプあるようで、
そのうちのひとつがよく似ているが、
葉っぱを巻くかどうかの情報がない。



ウスイロキンノメイガ:
葉っぱを巻く様子が、よく似ている。
幼虫の見た目は、黄緑系タイプにそっくりであるが、
残念ながら、食草がマメ科のクズである。
他にも、カエデやトチノキの葉っぱも食べるようだが・・・



マエウスキノメイガ:
クズの葉っぱを「オニギリ」にする様子が、
今回の最初の写真とそっくりである。
ただ、フキを食べるのかどうか?



アズキノメイガ(別名:フキノメイガ):
まさに、フキの葉っぱを食べるようだが、
どのように葉っぱを折りたたむのか、情報がない。



ワタノメイガ:
幼虫の見た目がかなり似ている。
食草は、ワタ、フヨウなどとされ、
フキの葉っぱは、リストにはない。




・・・というわけで、種名同定の確定要素はひとつもなく、
無謀な挑戦は、いとも簡単に頓挫したのである。


 ⇒上記3枚の写真の幼虫(2個体)が
  頭部付近が黄色っぽく見える。
  このような幼虫のネット写真はなく、
  非常に気になるのだが・・・





およそ2年ほど前のブログ記事で、
「ジョウカイの仲間の不思議な交尾」として、
以下のような写真を掲載したことがある。


ジョウカイの仲間(ジョウカイボン科)

イメージ 1
2014年6月21日 白岩森林公園・青森

この現場に居合わせたときに、
かなり不思議な状況だったので、
「交尾中に何らかの事故が起きた」
としか考えられなかったのだが・・・【注】








・・・どうやら、何の事故も起きてなかったようだ。



ヒガシマルムネジョウカイ交尾中(ジョウカイボン科)
イメージ 2
2016年6月6日 湯の沢温泉・青森

怪しい動きをする2匹のジョウカイを見つけた。

ヒガシマルムネジョウカイのカップルだ。

 ⇒昔は、マルムネジョウカイとされていたが、
  関ケ原より東に分布する(東軍!)のは、
  ヒガシマルムネジョウカイになったようだ。

  なお、体色は黄色っぽいのが一般的だが、 
  このカップルのように黒化する個体もいる。


当然、大きい方が雌だろう。

写真をよく見ると、お尻が繋がっている。
このときは、小さい雄の方がさりげなく動いていたが・・・







ヒガシマルムネジョウカイ交尾中(ジョウカイボン科)
イメージ 3
2016年6月6日 湯の沢温泉・青森

あっと思う間もなく、雄がひっくり返っていた。

 ⇒残念ながら、その瞬間は見ていないのだが、
  雌の方が、前方へ歩き出したときに、こうなったのだろう。
  
  






ヒガシマルムネジョウカイ交尾中(ジョウカイボン科)

イメージ 4
2016年6月6日 湯の沢温泉・青森

雄は、完全に脚を畳み込んで、
明らかに、自分から歩くことを放棄している。

・・・と言うか、完全に雌の付属物のようになっている。








ヒガシマルムネジョウカイ交尾中(ジョウカイボン科)
イメージ 5
2016年6月6日 湯の沢温泉・青森

おそらく、一部のジョウカイの仲間では、
このような体勢で、さりげなく交尾するのだろう。

 ⇒だから、なんの事故も起きていなかったのだ!!!







もちろん、ジョウカイ類の多く(???)は、
普通に、雌の上に雄がマウントする。


多分アオジョウカイ交尾中(ジョウカイボン科)

イメージ 6
2016年6月1日 だんぶり池・青森

おそらく、ヒガシマルムネジョウカイも、
最初はこのような普通の交尾姿勢だったのだろう。

雄がこの状態から、後方に仰向けにひっくり返れば、
最初の写真のような状態になると思っていた。

 ⇒でも、雄の腹部は長くて、柔軟性があるようで、
  一度はほぼ直角に繋がって、その後、仰向けになるようだ。



しかし、このような交尾姿勢に、どんな意味があるのだろうか?
単なる趣味・嗜好の問題なのだろうか?

これ以上のことを書くと、いくら匿名のブログとは言え、
あまりにも「???」になるので止めておくが・・・


それにしても、これは「ちょっとだけ不思議な交尾」だ。





【注】このときの記事では、ジョウカイの仲間としたが、
   今回と同様に、ヒガシマルムネジョウカイのようだ。
  
   【ちょっとだけ不思議な交尾】
    ↓   ↓   ↓
    http://kamemusi.no-mania.com/Date/20140731/1/










林道を歩きながら、虫を探していると、
葉っぱの上で比較的よく目につく虫はハムシ類だ。
ただ、彼らの「人の気配察知能力」は図抜けている。

 ⇒だから、ズーム機能のないデジカメでは、
  なかなか満足のできる写真は撮れない。


その他に、意外なのはコメツキの仲間だ。

この子たちも、比較的臆病(?)なのか、
近づいただけで、落下してしまうことが多い【注


ただ、生葉を食べるわけでもないコメツキの仲間が、
緑色の葉っぱの上にいると、かなり目立つ。

だから、そこで一体何をしているのか?
食べ物を探しているという雰囲気では全くないのだが・・・

 ⇒そう言えば、これまでコメツキの成虫が、
  何かを食べている現場は見たことがなかった。
  彼らは(成虫!)は、何を餌としているのだろうか??







・・・そして、ついに!!!



サビキコリ(コメツキムシ科)
イメージ 1
2016年6月7日 浄仙寺・青森

コメツキの仲間が、何か食べている?

サイズ、色、模様、出現時期などから、
この子は、サビキコリの仲間だと思う。

 ⇒軽く調べたネット情報では、近似種に、
  胸幅がやや太いムナビロサビキコリ(このページ最後の写真)と、
  体全体がやや細いホソサビキコリがいるが、
  この子は、多分ただのサビキコリだ。








サビキコリ(コメツキムシ科)
イメージ 2
2016年6月7日 浄仙寺・青森

サビキコリの成虫は、基本的に雑食性で、
樹液、朽ち木、昆虫の死体、果実、葉っぱなど、
何でも食べるとされる。

もちろん、幼虫時代は、肉食性であるが・・・

 ⇒どこからともなく、2匹のハエがやってきた。
  







サビキコリ(コメツキムシ科)
イメージ 3
2016年6月7日 浄仙寺・青森

ところで、この写真の子は、
さりげなく何を食べているのだろうか?

少なくとも、生きた獲物を捕獲したのではなさそうだ。

 ⇒写真では分かりにくいが、撮影現場で、
  ツマグロオオヨコバイの死体であることが、
  さりげなく確認できた。







サビキコリ(コメツキムシ科)
イメージ 4
2016年6月7日 浄仙寺・青森

そして、オコボレにあずかろうと、
周辺をうろついていた2匹のハエは、
雰囲気的に別種のように見える。


 ⇒しばらく観察していたのだが、
  本物(?)のハイエナのように、
  攻撃的な待ち方はしないようで、
  ただただ、ご主人様が食べ終わるのを、
  じっと待っているようだ。








【注この落下するという逃避方法は、
   予想以上に効果が高いはずだ!!

   だって、突然に目の前からきえるのだから・・・

      一度地面や落ち葉の中に落ちてしまった虫たちを、
      もう一度探し出すことは、まず不可能であることを、
   昆虫採集する人なら、誰でも経験してるはずだ。

   しかも、コメツキの仲間は、それに加えて、
   超有名な防御手段を持っている。

   コメツキの仲間は、落下後に擬死したとき、
   ちょっとだけ不思議な行動を付け加えるのだ。


   ムナビロサビキコリ(コメツキムシ科)
   イメージ 5
   2012年6月7日 芝谷地湿原・秋田
   左: 通常状態、 右: 落下後、跳び上がる直前


   詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。

   【虫たちの防御戦略⑪ Ⅲ(3) 擬死】
    ↓   ↓   ↓
    http://kamemusi.no-mania.com/Date/20130226/1/


   ただ、意外なことに、コメツキの仲間が、
   簡単にムシヒキアブに捕獲されてしまうのを、
   しばしば見かけるのだが・・・



普通に林道を歩いていては、何かキッカケがないと、
発見するのが難しい虫たちがいる。

その代表が、背景に溶け込む「隠蔽的擬態」の虫だ。


 ⇒私もこれまでに、多分1年に1回ほどのペースで、
  忍者のような虫たちを撮る機会に恵まれたが、
  その多くは、何らかのキッカケがあって立ち止まったり、
  別なもの(虫以外も!)を、必死に探したりしたときに、
  「何だ!! これは?!」
  という感じで、全く偶然に見つけたものだ。



今回のコツバメ幼虫も、例外ではなかった。





ウワミズザクラの果実(?) 虫えい(??)
イメージ 1
2016年6月6日 芝谷地湿原・秋田

ウワミズザクラの貧弱な果実が見えていた。

その中に、まるで虫えい(ゴール)のように、
ひときわ大きく見える細長い果実が1個だけあった。

 ⇒赤矢印の先に見える緑色の楕円形だ!!
  この時点では、なんだか全く分からなかった。

  








何かの幼虫???
イメージ 2
2016年6月6日 芝谷地湿原・秋田

もう少し少し近づいて確認すると、
表面に細かい毛があるので、
明らかにウワミズザクラの果実ではない。

どうやら、ハムシかシジミチョウの幼虫のようだ。


おそらく、この体色と姿かたちの幼虫が、
ウワミズザクラの果実の周辺に静止していると、
虫マニアでも、普通に歩いていては見つからないと思う。

これは、典型的な隠蔽的擬態の範疇に入るだろう【注1】









コツバメ幼虫(シジミチョウ科)
イメージ 3
2016年6月6日 芝谷地湿原・秋田

間近で見れば、シジミチョウの幼虫であることが分かる。

帰宅後に調べたネット情報では、
コツバメの幼虫が一番近そうだ。

 ⇒幼虫は、花蕾や実を食べるので、
  もしかしたら、まばらで貧弱に見えた果実は、
  この子が食べてしまったのかもしれない【注2】








コツバメ幼虫(シジミチョウ科)
イメージ 4
2016年6月6日 芝谷地湿原・秋田

この写真で見ると、まさに果実を食べている最中のようだ。

コツバメ幼虫の主な餌は、ツツジの蕾やガマズミの花だが、
このように、ウワミズザクラの果実を齧ることもあるようだ。

 ⇒普通にツツジの葉っぱを食べないのが不思議だが、
  もしかしたら、葉っぱに含まれる有毒物質を、
  微妙に避けているのかもしれない。








後日、さらなる衝撃が・・・・



多分アズマナルコ(カヤツリグサ科)
イメージ 5
2016年6月15日 だんぶり池・青森

こんなところに、何でコツバメの幼虫がと思った。

前回・前々回に続いて、徘徊する終齢幼虫かも・・・(?)

 ⇒最初に見つけたときは、
  少しオーバーな表現だが、
  飛び上がるほど驚いた!!!


実は、この写真は、アズマナルコの小穂が、
何らかの原因で、短くなったものだ。

写真をよく見ると、何やら別の虫(幼虫?)が、
数枚の葉っぱを綴っているようだ。








アズマナルコ(カヤツリグサ科)
イメージ 6
2016年6月15日 だんぶり池・青森

普通に見られるのは、こんな感じである。

アズマナルコは、青森に普通に分布するスゲの仲間だ。
果期は6~7月で、湿った斜面や渓流沿いに見られる。

 ⇒ただ、ひとつ上の写真のように、
  小穂が、短くなっているのは、
  今回が初めて見たものである。







【注1】隠蔽的擬態が本当に機能する場面・状況は、
    個人的には、かなり少ないような気がする。

    ムラサキシャチホコなどに見られるような隠蔽的擬態は、
    そもそも、枯れ葉ばかりの背景(地面!)にいる場合は、
    野鳥類の目から、効果的に逃れることができる。

    しかし、彼らの場合は、選択する背景を間違えて(?)、
    捕食者から丸見えになっても、全く問題ないのである。

    獲物を探す捕食者は、簡単に見つけてしまうのだが、
    彼らは、枯れ葉を食べることがないので、大丈夫だ。

      
    イメージ 7
    左: ムラサキシャチホコ 宮古市・岩手(20130814)
    右: マエグロツヅリガ 白岩森林公園・青森(20120721)


    詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。

    【隠蔽的擬態は本当にあるのか???】
     ↓   ↓   ↓
     http://kamemusi.no-mania.com/Date/20150210/1/





【注2】ウワミズザクラの果実がある部分には、
    葉っぱと違って、裏側へ隠れることができない。
    しかも、果実を食べてしまうと、
    ますます、隠れるところがなくなってしまう。

    そんな中で、自分の体を周囲の果実に似せると、
    それを食べてしまったときにも、
    まだ、そこに果実があるように見えるのだ・・・??


    これは、ハイイロセダカモクメ幼虫のやり方(!)に似ている。

    ハイイロセダカモクメ幼虫(ヤガ科)
    イメージ 8
    2011年10月11日 だんぶり池・青森


    【ハイイロセダカモクメ 衝撃の瞬間】
     ↓   ↓   ↓
     http://kamemusi.no-mania.com/Date/20111018/1/






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