オカモトトゲエダシャクは、成虫だけでなく、幼虫も大人気である。
と言っても、幼虫は、大きすぎる「鳥の糞」にしか見えない。
まずは、噂の幼虫から・・・
オカモトエダシャク幼虫(シャクガ科)
2014年6月4日 猿羽根山・秋田
このように身体を丸めている静止状態のことが多いようだが、
まるで自分の姿が、何に見えるのかを知っているようだ・・・???
まるで自分の姿が、何に見えるのかを知っているようだ・・・???
⇒体色の雰囲気と、模様のリアルさ、
さらに、身体の微妙な凹凸の具合など、
サイズ的に無理がある(大きすぎる?)という欠点を、
補って余りある完成度だと思う。
さらに、身体の微妙な凹凸の具合など、
サイズ的に無理がある(大きすぎる?)という欠点を、
補って余りある完成度だと思う。
ちなみに、鳥の糞が白っぽく見えるのは、
糞と一緒に排泄されるオシッコ成分の尿酸を含むからだ。
糞と一緒に排泄されるオシッコ成分の尿酸を含むからだ。
⇒どうでも良いことではあるが、
鳥は、フンとオシッコを、同時に排泄するのだ。
鳥は、フンとオシッコを、同時に排泄するのだ。
オカモトエダシャク幼虫(シャクガ科)
2012年6月14日 白岩森林公園・青森
移動や食事のときなどには、身体が伸びることがあるが、
それでも鳥の糞の模様なので、問題ないのかも?
それでも鳥の糞の模様なので、問題ないのかも?
⇒この子は、多分終齢幼虫なのだが、
結構大きな鳥の糞のように見える。
結構大きな鳥の糞のように見える。
偶然かもしれないが、身体が伸びきっているときは、
このように、葉っぱの裏側にいることが多いようだ。
そして、大人気の成虫は・・
オカモトトゲエダシャク成虫(シャクガ科)
2017年5月5日 蔵王温泉・山形
早春(?)にしか見られない、特異な姿かたちの蛾である。
このように、幅の広い前翅を扇子のように折りたたんで、真横にまっすぐ伸ばし、
後翅は、胴体にピッタリと付けて、やはり細長く折りたたんでいる。
少なくとも、このままでは、全く蛾のように見えない。
一体何故、こんな不思議な姿で、静止するのだろうか?
オカモトトゲエダシャク(シャクガ科)
2017年5月5日 蔵王温泉・山形
このような静止姿勢で、翅を細く見せることが、
何か特別な機能を持つ可能性も考えられる。
何か特別な機能を持つ可能性も考えられる。
⇒手元の図鑑には、展翅された標本が掲載されているが、
よく似た仲間たちの中に紛れ込むと、
翅のサイズや形状は、まさに普通のシャクガである。
よく似た仲間たちの中に紛れ込むと、
翅のサイズや形状は、まさに普通のシャクガである。
現時点で最も考えやすいのは、何かに似せている可能性だ。
例によって、すぐに擬態の話になってしまうのだが、
もしかしたら、微妙にハチに擬態しているのかもしれない。
普通に「微妙に」と書いたのだが、人間が見た擬態の不完全さは、
あまり大きな意味を持つものではない可能性がある。
あまり大きな意味を持つものではない可能性がある。
実際には、擬態の信号受信者(学習能力のある捕食者)に対して、
状況によっては、完全に似ていなくても、十分機能すると考えられるからだ。
状況によっては、完全に似ていなくても、十分機能すると考えられるからだ。