何故か、触角が異常に長い小さな蛾のグループがいる。
名前も、そのまんま「ヒゲナガガ」と言うが、長いのは雄だけで、
雌の触角は、普通の蛾とほぼ同じ長さである・・・多少長いのかも?
雌の触角は、普通の蛾とほぼ同じ長さである・・・多少長いのかも?
⇒所属する科の名前は、ヒゲナガガ科であるが、
種の和名は、最後にガがふたつ並ぶので、
ガがひとつだけになっている・・・(多分)
種の和名は、最後にガがふたつ並ぶので、
ガがひとつだけになっている・・・(多分)
実をいうと、触角の長さが分かりやすい写真を撮るのは、非常に難しい。
クロハネシロヒゲナガ雄(ヒゲナガガ科)
2018年5月3日 里見・茨城
この触角の長さは、やはり普通ではない。
⇒雄だけが長いので、何らかの交尾行動に関係しているようだが、
残念ながら、交尾中のカップルに出会ったことがない。
残念ながら、交尾中のカップルに出会ったことがない。
クロハネシロヒゲナガ雄(ヒゲナガガ科)
2019年5月14日 松本市・長野
名前のとおり、黒い翅の白い触角の長い蛾である。
⇒飛翔中には、触角だけが目立って、
白い糸がフワフワ浮いているように見える。
白い糸がフワフワ浮いているように見える。
クロハネヒゲナガ雌(ヒゲナガガ科)
2019年5月14日 松本市・長野
2019年5月14日 松本市・長野
雌の方は、短めのやや太い触角だが、雄と同じように左右に開いて静止する。
⇒幼虫の食草として、オオスズメノカタビラが知られており、
おそらく、この雌は産卵準備中なのかもしれない。
おそらく、この雌は産卵準備中なのかもしれない。
オオヒゲナガ雄(ヒゲナガガ科)
2019年7月10日 白岩森林公園・青森
冒頭に書いたように、触角と本体(前翅)を同時に撮るのは難しい。
⇒この写真も、前翅にフォーカスを固定して、
何回かシャッターを押して、触角が写っているのを選んだ。
何回かシャッターを押して、触角が写っているのを選んだ。
オオヒゲナガ雌(ヒゲナガガ科)
2019年6月10日 白岩森林公園・青森
2019年6月10日 白岩森林公園・青森
その名のとおり、やや大きめのヒゲナガガの雌である。
⇒昼行性の蛾でも、葉の裏に隠れて止まることが多いが、
この子は、派手な模様のせいか、堂々とその姿を見せている。
この子は、派手な模様のせいか、堂々とその姿を見せている。
ホソオビヒゲナガ雄(ヒゲナガガ科)
2019年7月10日 白岩森林公園・青森
濃い褐色の前翅に、白色の細い帯が印象的な蛾で、
白く長い触角もまた、微妙に細く感じられる。
白く長い触角もまた、微妙に細く感じられる。
⇒それでも、目の前フワフワと飛んでいるときには、
長い触角がはっきり確認できる。
長い触角がはっきり確認できる。
ホソオビヒゲナガ雌(ヒゲナガガ科)
2018年6月18日 矢立峠・青森
雌は、予想外にがっしりした体で、触角も太く逞しい。
⇒ネット情報では、幼虫の食草として、ネズミムギや、
オオスズメノカタビラなどが知られているが、
幼虫後期には、地面に降りて枯れ葉を食べるとされる。
オオスズメノカタビラなどが知られているが、
幼虫後期には、地面に降りて枯れ葉を食べるとされる。
それでは一体何故、雄の触角だけが異常に長くなったのだろうか?
よく知られているように、夜行性の蛾の場合には、
雄の触角は櫛(くし)型をしていることが多く、表面積を広げて、
雌の放出する性フェロモン分子を受容しやすくしている。
雄の触角は櫛(くし)型をしていることが多く、表面積を広げて、
雌の放出する性フェロモン分子を受容しやすくしている。
ヒゲナガガの場合には昼行性なので、視覚的に交尾相手を探すはずである。
だから、おそらく触角が長いことは、性フェロモン受容とは関係なさそうである。
だから、おそらく触角が長いことは、性フェロモン受容とは関係なさそうである。
⇒長くて目立つ雄の触角は、雌に近づき交尾しようとする場合に、
雌の注意を触角に向かわせて、視覚的に雌をなだめ、
そのすきに、交尾できればという魂胆かもしれない。
⇒あるいは、触角をさりげなく動かして雌の注意を逸らして、
クジャクの翅のような役割を果たす可能性もあるかもしれない。
⇒実際に交尾行動を確認できていないので、全くの想像だが、
長い触角で軽く雌に触れて、逃げないように微妙に捕獲したりするかも・・・
⇒カミキリの雄の触角のように、コンタクトフェロモンの可能性だって残されている。
雌の注意を触角に向かわせて、視覚的に雌をなだめ、
そのすきに、交尾できればという魂胆かもしれない。
⇒あるいは、触角をさりげなく動かして雌の注意を逸らして、
クジャクの翅のような役割を果たす可能性もあるかもしれない。
⇒実際に交尾行動を確認できていないので、全くの想像だが、
長い触角で軽く雌に触れて、逃げないように微妙に捕獲したりするかも・・・
⇒カミキリの雄の触角のように、コンタクトフェロモンの可能性だって残されている。