ちょっとだけ不思議な昆虫の世界(3)

今回で2度目の引っ越しです。 さりげなく(Sally Genak)虫たちの不思議な世界を紹介しています。

2020年10月


青森県内の常夜灯は、10月になると集まってくる蛾の数が激減して、
その周りを活発に飛び回ることもなくなってきます。

前回に続いて、今年(2020)撮れた晩秋の蛾を紹介します。

 ⇒ただちょっとだけ反則なのですが、
  今回の蛾は、晩秋以外にも出会うことがあります。








クロミスジシロエダシャク(シャクガ科)
SK-6514a
2020年9月28日 矢立峠・秋田

見た目どおりの名前が付いた、黒い3本のスジがある白いエダシャクで、
秋になって常夜灯に集まる蛾が少なくなった頃に、よく見かけるようになります。

幼虫は、エゴノキ科のエゴノキやハクウンボクの葉を食べます。








ハガタアオヨトウ(ヤガ科)
SK-6568a
2020年9月29日 城ヶ倉・青森

前翅の緑色の斑紋が目立つ蛾で、春にも見られ(年2化)るようです。
コケの生えたような樹皮にいると、典型的な保護色と言うことになります。

幼虫は、タデ科のオオイタドリなどの葉を食べます。








キマダラオオナミシャク(シャクガ科)
SK-6652a
2020年10月6日 矢立峠・秋田

明るい黄褐色の前翅前縁の先端にある黄色い大きな模様が印象的です。
真夏にも見られますが、やはり晩秋の他種が少なくなったころに、
ヤママユ以外の大きなナミシャクは目立ちます。

幼虫の餌植物は、マタタビ科のサルナシなどが知られています。








マエキトビエダシャク(シャクガ科)
SK-6657a
2020年10月6日 矢立峠・秋田

年2~3化なので、1年中見られますが、秋遅くまで見かけます。
似た種にオオマエキトビエダシャクがいますが、暖地性なので、
青森県には分布していないようです。

幼虫は、モチノキ(モチノキ科)などの葉っぱを食べます。








シロオビノメイガ(ツトガ科)
SK-6660a
2020年10月6日 矢立峠・秋田

濃褐色に白い帯の入った翅が印象的な普通種で、昼間から活発に活動します。
初夏のころから常夜灯でも見られますが、秋になると目立ちます。

幼虫の餌植物として、アカザ科のアカザやホウレンソウなどが知られています。








マエアカスカシノメイガ(ツトガ科)
SK-6668a
2020年10月6日 志賀坊森林公園・青森

半透明の白い翅を持ち、前翅の前縁には赤褐色の筋がアクセントです。
早春から晩秋まで、全国各地の平地・山地に普通に見られます。

 ⇒ 常夜灯の下の植え込みで、早朝に見つけました。

幼虫の餌植物は、がネズミモチやキンモクセイなどで、庭木の害虫とされます。








オオネグロウスベニナミシャク(シャクガ科)
SK-6684a
2020年10月7日 城ヶ倉・青森

比較的大型のナミシャクで、前翅には褐色~暗褐色の複雑な模様があります。
平地から高山地まで広く分布する日本固有種とされています。

 ⇒似た蛾にネグロウスベニナミシャクがいますので、
  同定するには翅裏の写真(右上)が必須ですが、
  たまたま同一個体が移動しました。
  
幼虫の餌植物は、ヤナギ科のキツネヤナギ、ブナ科のコナラなどです。


 





キトガリキリガ(ヤガ科)
SK-6686a
2020年10月7日 城ヶ倉・青森

枯れ葉のような色彩と模様の本種は、あまり見かけることはありません。
この時期の城ヶ倉は、夜間の外気温が10℃以下になりますので、
常夜灯の周りを飛び回る蛾は、めっきり少なくなります。

 ⇒本種は、秋にしか見られないのかもしれません。

幼虫の餌植物として、バラ科のナシなどが知られています。







以上、(北国の!)晩秋に(も!)見られる蛾でした。





今年(2020)の秋に撮った常夜灯に集まる蛾の写真が、
パソコンのフォルダーに増えてきました。

秋にしか見られない蛾(1)と、秋にも見られる蛾(2)について、
選別が微妙な場合もありますが、2回に分けて紹介します。






最初は、秋にしか見られない蛾です。


ヒメヤママユ(ヤママユガ科)
SK-6564a
2020年9月29日 城ヶ倉・青森

ヒメヤママユは、常夜灯の周りを飛び回るヤママユやクスサンと違って、
活動時期に気温が低いこともあって、活発に飛び回るイメージはありません。

ネット情報では、卵越冬、4月下旬に孵化、6月に蛹化で、
10月に羽化するという結構珍しい生活史のようです。

翅の表面を逆さに見ると・・・

【ヒメヤママユ サティロス型擬態なのか??】
 ↓ ↓ 
http://sallygenak.livedoor.blog/archives/2020-10-21.html







クロウスタビガ(ヤママユガ科)
SK-6588a
2020年9月30日 城ヶ倉・青森

よく言われる言葉ですがが、「はっ!!」とするような渋い美しさです。
多分、チョウとは違う「蛾の仲間ならでは」の微妙な雰囲気は、
大型で晩秋にしか見られないことも含めて、人気のある蛾だと思います。

幼虫は、ミカン科のキハダの葉を食べますが、残念ながら、
ネット上には、幼虫の写真を見つけられませんでした。






ヤマノモンキリガ(ヤガ科)
SK-6565a
2020年9月29日 城ヶ倉・青森

近年3種(本種・スギタニモンキリガ・スミレモンキリガ)に分割されましたが、
前翅外縁近くの黒点(青丸)が2個なので、写真同定できました。

北海道から西日本の山地、落葉樹林帯に分布し、成虫は秋にのみ出現します。

幼虫の餌植物は不明です。






ノコメトガリキリガ(ヤガ科)
SK-6579a
2020年9月29日 城ヶ倉・青森

淡褐色の前翅には茶褐色の斜めの直線が走り、茶褐色に縁取られた紋があります。
本種は晩秋にだけ見られ、集まる蛾が急に少なくなったころの常連客とも言えます。

幼虫の食樹は、バラ科のモモなどが知られています。







キリバエダシャク(シャクガ科)
SK-6584a
2020年9月29日 城ヶ倉・青森

淡黄色のよく見かけるタイプの蛾ですが、外縁部がキザギザが特徴的で、
おそらく名前の由来となったと思われます。

本種も、やはり秋にのみ見られるようです。

幼虫の餌植物として、ブナ科のミズナラ、ニレ科のニレ、バラ科のサクラなど、
多くの植物が知られています。







多分エゾキシタヨトウ(ヤガ科)
SK-6550a
2020年9月29日 城ヶ倉・青森

エゾ~と付きますが、全国の寒冷地で、晩夏から秋にかけて見られます。
近縁種がいますが、模様の微妙な違いで写真同定も可能です。

幼虫の餌植物は、現時点で不明とされています。







キイロキリガ(ヤガ科)
SK-6577a
2020年9月29日 城ヶ倉・青森

まさに枯れ葉のような色合いの蛾なので、当然ですが(!)秋にのみ見られます。
ただ、個体数は少ないのかもしれません。

幼虫の餌植物も、現時点で不明のようです。







エゾキイロキリガ(ヤガ科)
SK-6591a
2020年9月30日 城ヶ倉・青森

上のキイロキリガと名前は似ていますが、翅の模様は全く異なります。

確かに、黄色っぽい蛾ですが、北海道似しか分布していない種ではないので、
何故、この名前になったのかは不明です。

幼虫の餌植物は、シナノキ(シナノキ)とされています。







オオハガタヨトウ(ヤガ科)
SK-6586a
2020年9月30日 城ヶ倉・青森

焦茶色の前翅には、うす茶色の大きな紋が散りばめられているので、
静止する背景によっては、典型的な保護色(隠蔽色)の大きな蛾です。

ネット情報では、秋にしか見られないということですが、稀な蛾だと思います。

幼虫の餌植物はユリ科のシオデです。







ケンモンミドリキリガ(ヤガ科)
SK-6596a
2020年9月30日 城ヶ倉・青森

秋にのみ出現する特異な模様の蛾で、日本全国に分布します。

私はその現場の遭遇したことはありません(気付かないだけ?)が、
ウメノキゴケ(地衣類)の上に静止していたら、拍手喝采です。

 ⇒本当にそんな場所に静止しているのでしょうか?
  そうだとしても、誰も絶対に見つけられない・・・・

幼虫の餌植物は、地衣類だとはなく、
チドリノキ(カエデ科)やヤマザクラ(バラ科)などが知られています。





・・・次回は秋にも見られる蛾です。




いつものだんぶり池周辺を30分ほど歩いただけで、沢山のトビケラの卵塊を見かけました。

その多くは、水面の上にある葉っぱに産み付けられていましたが、
下には全く水のない道路側の灌木の葉にも見つかりました。

 ⇒孵化した幼虫は、どうするのでしょうか?


また、明らかに見た目の異なる卵塊が、数種類ほどありましたので、
卵のステージの違いか、あるいはトビケラの種類の違いか、
どちらかだと思いますが、現時点では結論を出すことはできません。








とりあえず、こんな感じで見つかりました。


多分エグリトビケラの卵塊
SK-6177a
2020年9月11日 だんぶり池・青森

半透明のゼラチン状の塊の中に黄色っぽい卵が散在するタイプの卵塊が、
この日は最も多く見られました。
ネット写真などから判断すると、エグリトビケラの可能性が高いと思います。

 ⇒葉っぱの表面に産み付けられた卵塊が、
  雨が降ると水分を吸って膨らんで、
  このようなゼラチン状になるようです。









多分エグリトビケラの卵塊
SK-6179a
2020年9月11日 だんぶり池・青森

多分ゼラチン質の粘度が変化して、垂れ下がっているので、
内部の卵が孵化直前なのかも知れません

トビケラ類は、幼虫時代を水中で過ごします。

だから、葉っぱの上でふ化した幼虫は、
水面に落下しなければ、生きていけないのです。

なので、トビケラの雌成虫は、ふ化幼虫が水に入りやすいように、
水面の上部にせり出した葉っぱを選んで、産卵するのです。









トビケラの仲間の卵塊
SK-6184a
2020年9月11日 だんぶり池・青森

この卵塊は、ゼラチン質が白色の不透明なタイプなので、
おそらく種の違いかもしれません。









トビケラの仲間の卵塊
SK-6176a
2020年9月11日 だんぶり池・青森

不透明なタイプの卵塊も、ちょっとだけピンク色になって、
やや粘度が下がっているようでした。









トビケラの仲間の卵塊
SK-6182a
2020年9月11日 だんぶり池・青森

こちらもやや小さめの不透明タイプですが、微妙に雰囲気が異なりますので、
第3の種類の可能性も捨てきれません。

ただし、ネット情報では、トビケラ類の中では、
エグリトビケラだけが、モリアオガエルと同じように、
水面から離れた植物上に卵塊で産卵するとされていますので、
これらの見た目の違いは、発育ステージの違いだけなのかもしれません。








この日は、トビケラ類の成虫に出会うことはありませんでしたが・・・


エグリトビケラ成虫(エグリトビケラ科)
SH-6827a
2017年5月29日 だんぶり池・青森

これは、3年前に撮ったエグリトビケラの成虫の写真です。

 ⇒だんぶり池周辺ではもっとも個体数の多い種類だと思います。


ですから、少なくとも最初の2枚の写真の卵塊は、
エグリトビケラである可能性が高いと思います。


トビケラの仲間は、種による見た目の差が分かりにくいので、同定は難しく、
図鑑をみても、同じような色彩と姿かたちの種がズラリとならんでいます。









最後に、ちょっとだけ珍しい写真です。


オオトリノフンダマシとの共演
SK-6186a
2020年9月11日 だんぶり池・青森

このコナラの葉っぱの下は道路で、池からは数mほど離れています。

赤丸の中にそれぞれ見た目が微妙に異なる卵塊が3個並んでいます。
さらに、青四角の中に3個のオオトリノフンダマシの卵のうが写っています。

 ⇒色々と、さりげなく不思議な光景でした。








今回の記事内容は、ちょっとだけ不気味ですので閲覧注意です。
実は私も本音を言えば、手で掴んでみようとは思いません。

 ⇒人間は、細くて長い生き物を、本能的に嫌うのかも(?)




・・・なので、「キモチワルイモノ」が苦手な方は、スルーしてください。







いつもの散歩道で、不気味な黒い生き物に遭遇しました。


クロイロコウガイビル(コウガイビリ科)
SK-6222a
2020年9月13日 座頭石・青森

細くて長い、しかも表面が微妙に濡れているように見えます。
どうやら、クロイロコウガイビルのようです。

 ⇒ヘビならマムシでないことを確認してから、
  さりげなく素手で掴んだりしますが・・・

今回は、冒頭のように、ちょっとだけ腰が引けていました。


コウガイビルの仲間は、扁形動物門に属するので、名前にヒルとありますが、
環形動物門に属する血を吸うヒルとは異なる分類群になります。

 ⇒写真のように、頭部が特異な扇形(笄:こうがい)なので、
  ただのヒルの仲間と間違えることはなさそうです。


日本には、コウガイビル類が以下の3種が生息しているとされていますが、
おそらく、写真同定は簡単にできそうです。

 オオミスジコウガイビル(Bipalium nobile) 大型の外来種
 クロスジコウガイビル(Bipalium fuscolineatum) 褐色で黒い筋
 クロイロコウガイビル(Bipalium fuscatum)小型の在来種

 








クロイロコウガイビル(コウガイビリ科)
SK-6227a
2020年9月13日 座頭石・青森

コウガイビルの仲間は肉食性で、ミミズやナメクジ、カタツムリなどを捕食します。

捕まえた獲物を体全体で巻きつけて、腹面にある口から吻を伸ばし、
何と、獲物の肉をその場で消化しながら、飲み込んでいきます。



・・・という話だけでも、無理・無理と言う人を知っています。

他のケムシやゴキブリ何か全く平気な次女は、ヘビのような細長い生き物がダメで、
名前を言うのも嫌らしく、ただ「へ!」と呼んでいます。










既出写真ですが・・・


ナシイラガ幼虫を捕食するコウガイビルの仲間
SH-6417a
2016年9月12日 矢立峠・青森

それにしても、これは不気味な光景でした。

コウガイビルの仲間が、昆虫類を食べるのは、かなり珍しいことのようです。
しかも、イラガの幼虫だなんて!!

【不気味な捕食者】
  ↓ ↓ ↓










続いて、付録みたいなものですが、


単独では、全く問題ないという人でも、集団になると!!!


フジヤスデの仲間(ヒメヤスデ科)
SK-6615a
2020年9月30日 弘前市・青森

多分暖かいコンクリートに集まっているようですが、黒い体色が不気味です。

ネット情報によると、本州で普通に見られるフジヤスデの仲間のようですが、
国内に24種が生息していると知った瞬間に、種の同定はギブアップしました。

 ⇒通常は、落ち葉の下などに潜んでいるようですが、
  ダムサイトに集まるカメムシのように、
  越冬場所を探して移動中に、温かい場所で一休みでしょうか?









フジヤスデの仲間(ヒメヤスデ科)
SK-4969a
2020年10月8日 弘前市・青森

約1週間後、ほぼ同じ時刻(午前9時ころ)に通りかかったところ、
やはり、コンクリートの部分に集まっていました・・・(?)

ネット情報では、夜行性で、冬場に活動する珍しいヤスデだそうです。。











フジヤスデの仲間(ヒメヤスデ科)
SK-4977a
2020年10月14日 弘前市・青森

さらに1週間後、現場を通りかかると、単独個体が1匹だけいました。
おそらく仲間たちは、良好な越冬場所を見つけたのでしょう。

 ⇒体節は55節あるそうですが、途中で数えるのを諦めました。




・・・というわけで、
クロイロコウガイビルの付録として登場してもらいました。









そして付録の付録があります。



既出写真ですが、黒いミミズです。


シーボルトミミズ(フトミミズ科) 
SG-1438a
2003年9月14日 足摺岬・高知

大きさがまるでヘビ!!
さすが南国のミミズの存在感は、半端ではありません。







さらに、真っ黒なヒル? ナメクジ??


多分ヤマビル(ヤマビル科) 
SK-4980a
2019年5月1日 岩木山山麓・青森

撮影時には黒いヤマビルと思っていましたが、今回ネットで確認すると、
岩手・秋田以南の本州から四国・九州に分布すると記載されていました。

 ⇒現時点では、青森には分布していないようです。


もしかすると、ナメクジの仲間・・・?




フキバッタの仲間は、翅が短い種が多く、飛翔して移動ができません。
そのため、地域ごとに少しずつ形態が異なることが分っています。

しかし、明瞭に種を特定することができないことがあって(多分?)、
分布の境界付近では、中間的な形態を示す場合もあるようです。



青森県には、以下の3種のフキバッタの仲間が分布しているとされています。

【20201026追加】
 青森県内には、アオフキバッタとヤマトフキバッタも、
 県南地方にのみ、分布していることが分かっています(黒石市の市田氏より)




まずは、比較的標高の高い場所に生息するハヤチネフキバッタです。


ハヤチネフキバッタ(バッタ科)
SK-6017a
2020年9月3日 睡蓮沼・青森

標高約1000mの八甲田山麓にある睡蓮沼は、そろそろ秋の気配が・・・

駐車場わきのイタヤカエデの葉っぱに1匹の太った(?)バッタがいました。

体は鮮やかな黄緑色で、表面をよく見ると沢山の黒点があり、
翅(痕跡?)は細長く黒色なので、間違いなくハヤチネフキバッタです。

 ⇒複眼は赤っぽく見えますが、イナゴの仲間ほど大きくないようです。


かなり近寄っても、全く逃げる気配はありませんでした。









ハヤチネフキバッタ(バッタ科)
SH-4093a
2015年9月21日 睡蓮沼・青森

パソコンのバッタのファイルを探してみると、以前に撮った写真が数枚ありました。
それでも、その数は多くないので、ハヤチネフキバッタ自身は希少種だと思います。

 ⇒しかも、個人的な感想ですが、発生地域は限られているようで、
  八甲田山麓の標高1000m以上ある他の場所には、何度も訪れていますが、
  今回の3枚の写真は、いずれも睡蓮沼周辺で撮ったものです。









ハヤチネフキバッタ(バッタ科)
SH-8268a
2017年7月25日 睡蓮沼・青森

しかし、希少種と言っても・・・

こちらは、3年前に同じ場所で撮った写真ですが、こんな感じでした。

 ⇒沢山の観光客がいましたが、周辺の素晴らしい景色に関心を示さず、
  バッタの写真を撮っている私をを見て、不思議そうな顔をしていました。










続いて、東日本で普通に見られるミカドフキバッタです。


ミカドフキバッタ(バッタ科)
SK-6419a
2020年9月21日 座頭石・青森

前種と同様に、腹部が盛り上がったように太った(?)体型です。
小さな翅はうす茶色で丸く、上のハヤチネフキバッタとは明らかに異なります。

写真では分かりにくいのですが、後脚の腿節の下面が赤い色を帯びています。









ミカドフキバッタ(バッタ科)
SK-6476a
2020年9月27日 座頭石・青森

翅のないフキバッタの仲間は、以前ミヤマフキバッタだけだったのですが、
近年細分化され、その中で(名前の由来は不明ですが)ミカドフキバッタは、
北海道、東北地方から近畿の日本海側に分布します。

 ⇒ハヤチネフキバッタと分布域が重複しますが、標高によりすみ分けています。









・・・と言いつつ、標高725mとされる駐車場の常夜灯で、見つけました。


ミカドフキバッタ(バッタ科)
SK-6558a
2020年9月29日 城ヶ倉・青森

飛翔能力の全くないミカドフキバッタが、常夜灯にいるのも不思議ですが、
ハヤチネフキバッタと微妙にすみ分けているのでしょうか?











続いて、3番目の種、ハネナガフキバッタです。


ハネナガフキバッタ(バッタ科)
SK-6539a
2020年9月29日 酸ヶ湯温泉・青森

体色は黄色~緑色で、黒側条は複眼後方から前胸背板の後方まで明瞭で、
後腿節には不明瞭な黒色紋があります。

名前のとおり、前翅・後翅とも発達し、短い距離ならよく飛びます。









ハネナガフキバッタ交尾中(バッタ科)
SG-7986a
2013年9月9日 座頭石・青森

コバネイナゴに似ていますが、体がやや大きく羽も長いようです。

また別アングルの写真で、後腿節の内側に黒い斑紋を確認していますので、
ハネナガフキバッタで間違いないと思います。









多分ハネナガフキバッタ幼虫集団(バッタ科)
SG-5358a
2012年6月14日 白岩森林公園・青森

幼虫時代は大集団を形成し、フキなどの葉を穴だらけにします。

他種のフキバッタの幼虫は、中齢以降次第に体色が緑色になりますが、
本種は羽化するまで褐色のままのようです。




以上、青森県内で見られる3種のフキバッタでした。



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