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クスサンは9月中旬になると常夜灯の周りを飛ぶ姿が見られるようになり、
おそらく、身近に生息する最も有名な大型の蛾の仲間だと思います。
まずは、幼虫から・・・・・
クスサン幼虫(ヤママユガ科)
2014年7月2日 北小金・北海道
体が柔らかそうな長い毛に覆われており、白髪のような見た目なので、
地域によっては、そのまま「シラガタロウ」と呼ばれているようです。
⇒また、毛がまばら(多分?)になっている体の側面には、
体を横切る黄色の直線と、特徴的な青色の紋が確認できます。
クスサン幼虫(ヤママユガ科)
2017年7月9日 白岩森林公園・青森
無毒であることを図鑑で確認して、一見柔らかそうな長毛を触ってみると、
実は、予想以上に硬く、全くフワフワ感はありません。
⇒おそらく、この長い毛は、寄生蜂などに対して、
物理的な防御手段になっているのかもしれません。
そして、成虫(蛾)も興味深い性質があります・・・
クスサン(ヤママユガ科)
2020年9月5日 志賀坊森林公園・青森
クスサンは卵で越冬して年1化なので、成虫は秋にしか出現しませんが、
たまに常夜灯のまわりを集団で飛んでいるのが見られます。
⇒成虫の色彩には多少の変異があり、赤っぽい個体から、
灰黄色のものまで同時に見ることができます。
クスサン(ヤママユガ科)
2022年10月1日 城ヶ倉・青森
常夜灯に来ていた個体は、近づくと翅を少し開いて目玉模様を見せました。
⇒当然、この後翅の目玉模様は、通常は前翅の覆われて見えません。
外敵に襲われそうになると、前翅をずらせて突然見せつけるのです。
以下の過去記事も、ご覧ください。
以下の過去記事も、ご覧ください。
【目玉模様の秘密】
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クスサン(ヤママユガ科)
2008年9月22日 碇ヶ関・青森
このように目玉模様が見える状態になると、フクロウのように見えます。
⇒この目玉模様は、外敵に襲われそうになったときにだけ見えるのです。
以下の過去記事に詳細がありますので、一度ご覧ください。
【虫たちの生き残り戦略⑳ サティロス型擬態(騙す・脅す)】
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