(前回からの続きです)
多くの方が経験していることだと思いますが、カミキリムシを手で掴むと、
ほとんどの種類が「キイキイ」という威嚇音を出します。
多くは、前胸と中胸をこすり合わせて、発音すると言われています。
⇒もしかすると、今回は捕食者に捕獲されてしまったときに、
この音を出すと、ビックリさせる効果があるかもしれません。
21: ニセリンゴカミキリ(カミキリムシ科)
2013年6月6日 ひたちなか市・茨城
➡➡➡ ベイツ型擬態: モデルは小さなハチの仲間
この写真のアングルでは、まさにハチのように見えます。
⇒よく見かける「チュウレンジハバチ」と間違えるほど似ています。
もちろん、名も知らぬ(?)ハバチの仲間には、
こんな雰囲気の種類が沢山います。
22: ゴマフカミキリ(カミキリムシ科)
2013年6月25日 酸ヶ湯温泉・青森
➡➡➡ 保護色または隠蔽的擬態:
褐色~灰色系のカミキリの仲間は、歩行速度が遅い(?)こともあって、
枯れ枝などにいると、なかなか見つけることができません。
⇒そこで、ビーティングと言う採集方法が有効になってきます。
【地面に落下する虫たちは最高!!(再考?) 】
↓ ↓ ↓
23: フタコブルリハナカミキリ(カミキリムシ科)
2013年7月14日 酸ヶ湯温泉・青森
➡➡➡ ベイツ型擬態: モデルはカミキリモドキ
本種の上翅は、青巒食から黒色までの変異があるようですが、
肉食性の「アオジョウカイ」にベイツ型擬態していると言われています。
⇒確かに、最初はよく見かけるアオジョウカイに見えました。
実際には、体内に有毒成分を持っている「アオカミキリモドキ」が、
モデルなのかもしれません。
24: カンボウホソトラカミキリ(カミキリムシ科)
2013年7月14日 酸ヶ湯温泉・青森
➡➡➡ ベイツ型擬態: モデルはハチ
白と黒の線状の模様が、有毒をイメージさせませんが、
もともとハチとカミキリは身体が細長いので、
模様が似ていれば、間違える可能性が高いのかもしれません。
⇒ネット写真でよく似たハチの仲間を探していると、
やや灰色の「ペレーヒゲベッコウ」などに似ています。
25: ヒメヒゲナガカミキリ(カミキリムシ科)
2013年7月14日 蔦温泉・青森
➡➡➡ 保護色または隠蔽的擬態: 黒っぽい樹皮
むしろ、白黒の長い触角が目立ってしまうような・・・
26: 多分ハネビロハナカミキリ(カミキリムシ科)
2013年7月14日 蔦温泉・青森
➡➡➡ ベイツ型擬態: モデルはカミキリモドキ
ジョウカイボンのようなイメージのカミキリですが、
この色合いは、有毒の「キイロカミキリモドキ」や
「キイロゲンセイ」に似ています
【光に誘引された甲虫類③ 比較的稀な種(2018) 】
↓ ↓ ↓
27: セミスジコブヒゲカミキリ(カミキリムシ科)
2013年8月5日 東海村・茨城
➡➡➡ 非食物擬態: モデル(?)は鳥の糞
もしかしたら
➡➡➡ 保護色または隠蔽的擬態: 白っぽい樹皮
上の写真のような状況で、緑色の葉っぱの上に静止している場合には、
普通に鳥の糞擬態だと思います。
白っぽい樹皮の幹にいると、明らかに保護色になると思います。
28: フタスジハナカミキリ(カミキリムシ科)
2013年8月7日 安曇野・長野
➡➡➡ ベイツ型擬態: モデルはスズメバチ
やはり、この配色はスズメバチの仲間に似ています。
こんな感じで、花にいなくても、一瞬ハチと間違えてしまいます。
29: ノコギリカミキリ(カミキリムシ科)
2013年8月11日 ひたちなか市・茨城
➡➡➡ 大型で硬い外骨格
カブトムシやクワガタの仲間が、野鳥類の餌としては大きすぎるのと同様に、
大型のカミキリムシの仲間も、小鳥の餌としては不適当です。
また、冒頭のように、前胸と中胸をこすり合わせて、発音するので、
また、冒頭のように、前胸と中胸をこすり合わせて、発音するので、
もしかすると、今回は捕食者に捕獲されてしまったときに、
この音を出すと、ビックリさせる効果があるかもしれません。
⇒ですから、特別な防御手段を持つ必要はなく、その大きさと外骨格の硬さだけで、
多くの野鳥類の攻撃から逃れている可能性があると思います。
30: ナガゴマフカミキリ(カミキリムシ科)
2013年8月11日 ひたちなか市・茨城
➡➡➡ 保護色または隠蔽的擬態:
一般的な茶褐色と白色が混じりあったような樹皮の幹にいると、
明らかに保護色になると思います。
まさかというようなニイニイゼミでも、完全に背景の樹皮に一致すると、
写真を見ても、全く探し出すことができなくなります。
【保護色の虫たちを探す疑似体験③ 特別編】
↓ ↓ ↓
(このシリーズ、大人の事情で一旦休止します)
⇒よく言われるフレーズ「忘れた頃に再開」予定です。